ABOUT SALOMON
09.09.2021


1947年にフランスで創設。アウトドアにおいて世界的なリーダーシップを発揮し、同ブランドが築いてきた歴史はマウンテンスポーツの歴史そのものでもあると称されるSALOMON ( サロモン ) ブランド。

広大かつ過酷な 「 自然 」 を楽しむ事、そして果敢に挑戦する為の製品開発に情熱が注がれています。
いかに足にフィットさせるかを研究の大テーマとし、製作されたプロダクトは、その機能性の高さ ( 本物感 ) から、アウトドアフィールドでの活躍は勿論、他分野での採用、さらに近年はファッションシーンの中でも注目を集めている特別な存在です。

本NEWSでは、SALOMONの歴史をご紹介していきます。


ブランド誕生は、フランシス・サロモンが息子と共に、フランス南東部の湖畔町 「 アネシー 」 にてスキーのプレートとエッジの研磨工場を設立したのがきっかけです。

1957年には、当時主流であったレザーストラップタイプのスキービンディングに変わる画期的なケーブルタイプのビンディングを開発しました。1957年頃までのビンディングは、完全固定式で転んでも外れない構造になっていた為に、些細な転倒などでも足首の骨折などをしてしまっていました。・・・そこで、ケーブル式ビンディングを開発し、スキーヤーの安全性をさらに高めました。その時のキャッチコピーは、「 あなたのガーディアンエンジェル 」 。

1966年には、世界初の自動リリース機能をもつビンディングを開発し、チリで開催されたワールドカップにおいてその有能性を実証しました。
1972年には、世界NO.1のビンディングメーカーとなります。
1979年には、アルパインスキーブーツを発表し、瞬く間に市場を席巻します。

■創業者のフランシス・サロモン

■LABO画像
フランス・アネシーにLABOを構え、研究レベルでプロダクトを製作しています。

50〜90年代には多くの特許技術を考案しました。上記は貴重な資料です。
例えば、
❶1958年に開発された 「 解放機能付きケーブルSKIバインディング 」
それまでのSKIバインディングは転んでも外れないシステムで非常に危険度が高く、骨折などの怪我の要因の一つであった為、サロモンがより安全で安心してSKIを楽しめるようにと解放機能付きケーブルバインディングを開発。

❷1967年に開発された 「 世界初のステップイン式のSKIバインディング 」
解放機能付きのケーブルバインディングを開発後、現代のスキーバインディングの元になったステップイン式を開発。伝説の 「 S444 」 バインディングが誕生しました。

❸1979年に開発された 「 Rear Entry Alpen Ski Boots 」
世界初のリアエントリー式 ( 後ろから足を入れるタイプ ) のスキーブーツ 「 SX90 」 を開発。それまでは通常のブーツと同じように上から足を入れ ( 長靴の様に ) フロントのバックルなどでブーツを締めこんでいたのを、リアエントリー式にする事で簡単に脱ぎ履きすることが出来、尚且つ、足の部分への圧迫などもなくなりフィット性もアップ出来ました。開発にあたっては、フランスの新幹線ことTGVを設計した著名デザイナーの 「 ホセタロン 」 が開発に加わっていました。

❹1992年に開発された 「 Internal tightening 」
現在のSALOMONシューズの特徴でもある 「 ENDFIT 」 の元になった技術。当時のクロスカントリースキーブーツなどは、ブーツ自体のフィット感が弱くレース中などもブーツが緩んでしまうので、サロモンがインナーの中で足の甲の部分を覆うInternal tighteningシステムを開発し、飛躍的にシューズのフィット性が高まりました。「 ENDFIT 」 に関しましては機能の部分で後述します。

❺1997年のSNOWBAORDの 「 WELDED CONTINUOUS EDGE 」
特許の写真の1997年部分のスノーボードになります。それまでのスノーボードのエッジ部分は360度にエッジを配置していましたが、どうしても溶接技術等で切れ目が出来てしまい耐久性が弱かったのですが、この開発したエッジは切れ目がなくしっかりと溶接が可能になり、耐久性が非常に強くなりました。

90年代に入るとウインターマウンテンスポーツで培った経験を生かし、トレイルランニングやアウトドアなどにも分野を広げていきます。ノルディックスキー用ブーツをトレッキングブーツに改良したのは、SALOMONブランドが世界初です。
 
左 : 「 SR911 」 モデル
1992年の冬が記録的な暖冬になってしまい、クロスカントリー用のブーツが大量の在庫過多となりました。そこで開発グループは発送の転換で 「 ソールをゴム製に変えたら登山靴になるんじゃないか? 」 とヒラメキました。これが、ハイキングシューズの原型の誕生の瞬間です。

右 : 「 RAIDWIND 」モデル
2001年製作。現代トレイルランニングフットウエアの原型とされるモデルです。

■サロモン初のハイキングシューズADVENTURE9シリーズの原型モデル。1992年製作。

ADVENTURE9の後にリリースされたADVENTURE 7が、スペインのイビザなどのクラブ界隈で一世を風靡します。この頃から、現代に通ずる様なファッションとしてもピックアップされていたという事です。

さらに、1997年に発表された 「 EXIT2モデル 」 も、ファッション誌VOGUEに掲載されました。

2000年代に入ると2001年にウインターアパレルに参入し、ソフトシェル流行の火付け役となります。

2002年には、現在もリリースされているXA-PRO等の名作シューズを生み出していきますが、その名がより世界的に知れ渡るきっかけの一つとなったのは、キリアン・ジョルネというランナーの存在でした。

2008年、スペインのトレイルランナーであるキリアン・ジョルネが、僅か20歳の若さでUTMB ( ウルトラトレイル・デュ・モンブラン ) で優勝した際 ( タイムは20時間58分 ) に着用していたのは、SALOMONのSPEEDCROSS 2です。同モデルは、アウトドアマガジンでの各種タイトルを総ナメにしたと同時に、SALOMONブランドへの注目や信頼をさらに高めるものとしました。

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ABOUT Kilian Jornet Burgada / キリアン・ジョルネ・ブルガーダ

1987年10月27日生、スペイン、カタルーニャ州バルセロナ・サバデイ出身。

主な戦績および記録
・2008年
当時のUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)世界記録達成。わずか20歳で170kmを20時間で完走。
・2009年
タホ・リム・トレイルを38時間で完走。 265,5kmのトラックに挑戦した際、1時間しか睡眠を取らず38時間走り続けた。
・2010年
トランス・ピレネー800km を8日間で横断。フランスとスペインの国境にまたがる壮大なピレネー山脈を東から西にかけて横断した。
・2010年
キリマンジャロ登頂・下山のスピード記録樹立。アフリカの最高峰キリマンジャロ ( 5900メートル ) 登頂・下山37kmを5時間23分で制覇。
・2012年
「 Summits of My Life ( 人生の頂き ) 」プロジェクト 始動。世界の名峰登山のタイムアタックの夢が実現。すでにマッターホルンとモンブランの登頂・下山記録を塗りかえた。
・2014年
スカイランニングワールドカップ三冠。 スカイランニング、ウルトラランニング、そしてバーティカルキロメーターの三冠達成。

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このようなトレイルランニングシーン以外にもSALOMONは、ミリタリーの様々なフィールドでも採用されています。
機密事項が多い為、NEWSなどでのご紹介は難しいのは残念ですが、プロダクトのクオリティーの信頼の高さを伺えると思います。

2014年には 「 シティートレイル 」 を提唱し、新たなランニングシーンを開拓していきます。

ここからは、SALOMONブランドの機能に関してご紹介していきます。

■Quicklace™ クイックレース
Quicklace™は、ノルディックスキーブーツの為に1993年に開発され、2000年にシューズに導入されました。耐久性の高いケブラー繊維シューレースは、パラグライダーストリングから着想を得て製作されたものです。片手で操作可能で、締め上げたのちにストッパーで所定の位置に固定し、シューレースポケットに収納可能です。ランニング中にシューレースが解けたり、障害物に引っ掛かるストレスもありません。

■Sensifit™ センシフィット
Sensifit™は、足を正確に安全なフィット感で包みます。ミッドソールからレースシステムまで連動して足をドーム状に包み込み、安定した正確なフィットを提供します。

■Endofit™ エンドフィット
Endofit™は、足を正しい場所にぴったりとフィットさせるように設計された内部フィットスリーブで、足を包む事で正確なフィット感を提供します。

■Descent Control ディセント コントロール
ディセント コントロールとは、ソールとシャーシとセンシフィットフィットでフルサポートした機能です。
泥や急斜面においても、くるぶし周りをしっかりと固定し足が前後に動いてしまうのを軽減するテクノロジーです。XT-WINGSやX ULTRAモデルに搭載されています。

■VIBEテクノロジー
Vibeテクノロジーとは、本来相反する機能を持つ高反発性のEnergyCell+と、振動吸収性のあるOPALをそれぞれが機能するように、絶妙に組み合わせたボトムシステムです。
OPALがランニング時に発生する路面からの体に有害な振動を吸収しつつ、一方で、高反発で高耐久のEnaegycell+が快適なロングライドを実現します。

■ミッドソールの機能について
一般的なシューズのように、アッパー + ミッドソール + アウトソールのみの構成ではなく、ミッドソール部分にSALOMON独自の薄型構造の高機能シャーシを搭載するシューズを製作しているのも、SALOMONブランドの特徴です。機能としては主に地面からの突き上げの力の分散、優れた安定性を実現する事を目的としています。

■アウトソールの機能について
SALOMONのアウトソール をご覧頂くと、CONTAGRIPの表記をよく見かけるかと思います。
コンタグリップとは、確かなグリップ性能と耐久性を意味します。1994年にF1にタイヤを供給するメーカーと共同開発したのが始まりです。

SALOMONブランドのソールは密度、配合、形状の三要素を複合し、様々な地形や動きに適したグリップ力と耐久性を発揮出来るように開発されています。異なる素材の圧着技術の高さも同ブランドの強みです。
DENSITY ( 密度 )・・・パーツごとに異なる密度の素材を組み合わせ、グリップ力と耐久性を向上しています。
COMPOUND ( 配合 )・・・ 20種類以上の素材を最適に配合し、様々な地形や動きに相応しいコンパウンド設計です。
GEOMETRY ( 形状 )・・・ 様々な形状を組み合わせて、最適なソリューションを提供しています。

アウターソールもミッドソール同様に、人間工学に基づいた足の動きに合わせた新設計のスリットによって分割されています。路面変化に対してのグリップ性能とトラクション性能 ( 力を地面に伝える事 ) を保ちつつ、ヒールからつま先までの体重移動をスムーズに行える設計です。

■標高差によるトレイルランニングモデルのマッピング

あくまでトレイルランニングモデルのおおまかなマッピングです。ハイキングなど別カテゴリーもあるため全てではございませんが、このように標高の差によって適するモデルが異なるのだ、という点を知って頂きたく表示しています。

これらの特徴を持つSALOMONブランドの21AWコレクションが続々入荷してきています。さらに22SSでは、待望のフランス製が登場し、店舗限定の特別な復刻も予定されており、ますます注目すべきブランドです。

SALOMON アイテムページ
https://www.eliminator.co.jp/products/list.php?maker_id=54