adidas by RAF SIMONS_STAN SMITH
09.04.2019

[adidas by RAF SIMONS RS MICRO STAN SMITH]

[adidas by RAF SIMONS RS SAMBA STAN SMITH]

[adidas by RAF SIMONS RS TORSION STAN SMITH]

UKユースカルチャーをデザインのインスパイア源の一つとするRAF SIMONSと、数多くのミュージシャンやクリエーターに選ばれ続けUKユースカルチャーと共に歴史を刻んできたadidasとの、名前だけではない大変意義のあるコラボレーション。2013年秋冬にスタートし2019年春夏で12シーズン目を迎えます。同コラボレーションから19SS NEW MODELとなるRS MICRO STAN SMITHのご紹介です。

[アンドレ・ブルトン]

19SS NEW MODELとなるRS STAN SMITHシリーズは、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが提唱した1920年代〜1940年代中期 ( 終焉時期は諸説あり ) の思想活動・芸術形態であるシュルレアリスムにおいて用いられていた手法・絵画技法のトロンプイユ ( フランス語で眼を騙すという意味 ) からインスパイアを受け製作されています。

[Hailletモデル]

60年代中期にリリースされたハイレットをルーツに持つスタンスミスモデルをベースにしてadidasのアーカイブモデルをプリント。ヴィンテージシューズ特有の汚れやシワ、ひびや摩耗などの経年変化までもをプリントにてリアルに再現しています。

※adidas by RAF SIMONSのスタンスミスについて。
オリジナルディテールであるサイドのベンチレーションホール ( 通気口 ) は、スリーストライプスではなく「 R 」マークをパンチング。右足シュータンはスタンスミス、左足シュータンはRAF SIMONS自身のイラストとなっており両足のシュータンイラストを自身のイラストにしなかったのは、RAF SIMONSからスタンスミスへの特別な想いを表していると推測しています。

<プリントしたadidasのアーカイブモデルについて>下記をご覧下さい。

[MICROPACER : 1984年]

MICROPACERは、1984年に発売された革命的スニーカーです。同モデルが発売された80年代中期は、APPLEのMACINTOSHやCASIOのG-SHOCKなどがリリースされた時代でした。左足のシュータンに埋め込まれたデジタルLCDマイクロコンピューターは、時刻、日付、ストップウォッチなどの機能がございました。
現在で言う所のウェアラブル端末仕様。オリジナルはボストンのコンピュータ歴史博物館にも展示されているほどです。リリース当時は高級なカンガルーレザーを用い、当時の販売価格は58,000円でした。内蔵時計の最終表示は「2009年12月31日」まででした。

[SAMBA : 1950年オリジナルモデル]

[SAMBA : 1962年 今回プリントとして用いたモデル]

1950年代にサッカーシューズとして誕生したSAMBAはadidasシューズの中で最も古いモデルの一つであり ( アディダス創立は1949年 ) ロングセラーモデルでもあります。その長い歴史の中でアップデートされ続けてきたSAMBAの62年のリリースモデルをプリントしています。カラーソールとサイドにドイツ語でAntibakteriell ( 抗菌性 ) と記載がある点が62年リリースモデルの特徴です。
※50年代の初登場時はミッドカット ( 上記に画像表示 ) でリリースされ現在とフォルムやデザインが全く異なります。現在のようなデザインとなるのは70年代初頭。シュータンが特徴的に長くなるのは90年代初頭です。

[TORSION CONQUEST SUPER : 1990年]

TORSION CONQUEST SUPERは1990年に発売。モデル名の一部にもなっているトルションは機能であり、前足部と後足部をトルションバーで繋ぐ事でねじれ防止効果がございます。1989年に初登場した機能で今日リリースされるスニーカーにもアップデートされながら搭載されているファンクションです。

上 :
[RAF SIMONSの乳児時期の写真。RAF SIMONSの父親はRAFにfootball選手になって欲しいという気持ちがありadidasのスパイクと一緒に撮影したそうです]

下 :
[adidas by RAF SIMONSの13AWコラボレーションスタート時のOZWEEGOモデル]

・僕の仕事のそもそもの原点は”孤立”。今は自分のビジョンをファッションに翻訳しているけど、他のやり方でもいいんだ、本当は。僕は孤立の中に美を見い出す必要があると感じている。

・僕は特定のメッセージを送り出す手段としてファッションを使っている。他のデザイナーは服を作るのが好きで、メッセージは二の次だ。でも僕は逆なんだ。

・服を見せたいんじゃない。見せたいのは僕のアティチュード、過去、現在そして未来だ。僕は記憶と未来のビジョンを、現在の世界に位置づけたいんだ。

これらのRAF SIMONS自身の言葉からも分かる通り、RAF SIMONSはデザイナーとして単純にファッションを表現しているのではなく、人生における哲学 ( 主にアティチュードやメッセージ ) を伝えるべくファッションをツールとして使用している人物です。

常に提案型のコレクションを行い現状に対する疑問を呈し、イデオロギーによって作り上げられてしまった価値観を見直す機会を与える事で、「 ファッションとは何か 」 を問う。知的なPUNK精神を根底とした挑戦的な表現を95年のデビューから今まで継続的に遂行している人物であり、単次元ではなく過去・現在・未来という3 TIME LINEを見据えデザインしています。

まさに本日ご紹介致しましたプロダクトは、上記を考えるとRAF SIMONSらしいアイテムだと思いませんか。