TIGRAN AVETISYAN × UMBRO × ELIMINATOR
18.01.2021

UMBRO×TIGRAN AVETISYAN×ELIMINATOR TRIPLE COLLABORATION
“ メッセージを纏う。SS21 UMBRO SHOWER JACKET WITH LOVE ”


『 TIGRAN AVETISYANによるハンドペイントを忠実に再現した昇華プリントが見所。TIGRAN AVETISYANのメッセージアートの集大成的アイテム 』

発売日:2021年1月9日 ( 土 ) : 店頭、オンライン同時発売
プライス:¥32,700 ( without tax )


1924年創業のフットボールブランド < UMBRO ( アンブロ ) > 、アンチ精神をベースに時代を経ても変わらないメッセージをウエアを通して伝えるロシアンデザイナー< TIGRAN AVETISYAN ( ティグラン アヴェティスヤン ) > 、そして2020年で発足20周年を迎えた < ELIMINATOR ( エリミネイター ) > とのトリプルコラボレートによるシャワージャケットのご紹介。

今作のポイントは何と言ってもTIGRAN AVETISYANによるメッセージ性のあるハンドペイントアートを忠実に再現した昇華プリント技術です。ワードの擦れや濃淡、筆圧の違い等、ここまで高い再現性で製作するのはUMBROブランドとしても過去に例がない事です。

施されたメッセージは、これまでのTIGRAN AVETISYAN×ELIMINATORコラボレートハンドペイントアイテムで使用されたワードを使用。
( TIGRAN AVETISYAN×ELIMINATORコラボレートは16AWシーズンからスタートし毎シーズン極少量製作。TIGRAN自身によるハンドペイントアイテムの別注は世界でELIMINATORのみです )



<下記が施されたメッセージ一覧です>

NO:
セントラル・セント・マーチンス卒業ショーで、本ワードをハンドペイントしたコートをモデルに纏わせた衝撃的なコレクションを継承するアイコンである 「 NO 」 はTIGRAN AVETISYANがよく用いるワードですが、これはイデオロギーに捕われ過ぎて何の疑問も持たずに、日常を当たり前の様に受け入れて生活してしまう事への注意喚起の意味で使用しています。TIGRANはメッセージを発信する上で、現状を単に批判したり嘆いたりするのみではなく、異常な状態である事に気付いて欲しい、そして明るい未来となれるように皆で意識を変えていきましょう、という前向きな想いを込めています。「 X 」 もNOと同義です。

NOTHING CHANGES:
TIGRAN AVETISYANの14SSのデビューコレクションで使用されたワードであり 、「 NO 」 同様にTIGRAN AVETISYANにとって重要な言葉です。2016年にTIGRANのデビューコレクションをELIMINATORのみで復刻リリースした際にも使用したワードです。「 何も変わってないよ 」。ブランドのニューシーズンがスタートした際やメーカーが新製品をリリースした際、単に新しいという言葉だけで消費を必要以上に煽る事への皮肉の意味合い。さらに消費者に対してもきちんと物やサービスの本質を見極めましょうね、という注意喚起でもあります。「 新しさはあなたの生活を豊かにする 」 というプロパガンダが存在している事実をほのめかすメッセージです。

THE WORLD IS FLAT AGAIN:
ヴァーチャルな世界ではなく現実世界では実際に着用出来るウエアや、実際に手に取る事の出来るプロダクトが存在しているのも関わらず、それらの評価基準が、例えばPCなど平らなスクリーン上で行われています。そこには生きた言葉は無くビジュアルが取り沙汰されます。TIGRANはこの現代の状態を、『 まるで暗黒の時代へ回帰しているかのようです。洞窟人が絵を用いてメッセージとしていた時のような、、、。地球が平らであると信じていた時代に戻っているように感じます 』。と語っており、地球は進化し続けているはずなのに実は何も進化していない、という意味でTHE WORLD IS FLAT AGAINというワードを使用しています。またもう一方で新たに込められたメッセージが存在しており、今の社会構造が出来上がる遥か昔の紀元前、今のような国という単位がなかった頃 「 人はみな平等だった。今一度、個人の尊厳について改めて確認して欲しい。ヒエラルキーのない、個々を尊重し合う自由な世界に再び戻れるように 」 という、未来に対してのポジティブな想いを込めています。

THE END OF HISTORY:
<下記はTIGRAN本人の言葉による解説です>
『 このフレーズは私が興味深いと思っている哲学的概念 ( ※後述有り ) から引用しました。その考え方では社会の発展は本質的には並行したままです。これについては一意見、批判的代案、より高次でハイレベルな改良案がありますが、例えば、政治では常に二つの違うイデオロギーが優劣を競い合い必然的に 「 より優秀なもの 」 が支配します。そうやって歴史は発展してきました。そして、自由民主主義が最終的に支配するだろう、と長い間議論されてきました。私たちの人生の中で最近の情勢を振り返った時、現実はその理論とは全く違うことが証明されています。現在の世界的危機によって様々な真実が暴かれています。我々の政府、信仰、ライフスタイルが、いかに重要でないかです。私たちには変化が必要です。幸いにも、この問題に関して世界中のどの人にもぴったり合うようなフリーサイズの答えはありません。まるで我々が今のような状態で生き続けるのは不可能だ、と地球が私たちに教えているようです。グローバリズムは私たちの人生を全て
「 等しく同じ 」 にしてしまいました。どれも同じようにつまらないという意味です。私は世界が再びまた 「 大きく 」 なるように。そして、一人一人の違いをなくすのではなく、それぞれが尊重しあえる超社会になれるよう願っています。我々が自分たちのルーツに戻り昨今の情勢が The End of History ( 歴史の終わり ) に終わりをもたらす事を願っています』。
すなわち、著書、The End of History ( 歴史の終わり ) の提言に疑問を呈したメッセージとなっています。
< 参考資料 >
The End of Historyとは : アメリカ合衆国の政治経済学者フランシス・フクヤマ著作。1989年にナショナル・インタレストに発表した論文 「歴史の終わり?」 からさらに具体的に考察したものであり1992年にFree Press社から出版されました。
<以下、著書The End of Historyのポイントとしてリベラルアーツガイドより一部抜粋>
・自由民主主義が共産主義を含む過去のあらゆるイデオロギーより優れており、最終的に勝利するし、理想の世界をめぐって人類が行ってきたイデオロギー闘争は今後もうあらわれない ( これが 「 歴史の終わり 」 の意味 )
・自由民主主義というイデオロギーは、永遠で普遍的、そして最良のものであり、これに代わるイデオロギーは今後登場しない
■リベラルアーツガイド
https://liberal-arts-guide.com/the-end-of-history-and-the-last-man/

STOP DREAMING:
TIGRAN AVETISYANがデビューコレクション ( 14SS ) で使用したワードです。
<下記はTIGRAN本人の言葉による解説です>
「 " Stop dreaming " というのは、私が最初のコレクションで使ったフレーズです。私にとっては学生であることをやめて大学の外の世界と向き合う必要があった時の事です。それは期待と現実の関係とも言えます。そして、それは新しい環境の中で働く事を意味していました。私が私自身である事、そして私の仕事をフォローする人々に対して誠実であることの重要性についてです 」 。
現実を夢ではなく自己で責任で負う必要性について語る背景には、次のような内容が隠されています。「 あなたが今見ているその夢。それは、実は誰かに作られた価値観から生まれているもので本当に自分がしたいものでは無いのかもしれません。コントロールされた環境下で夢を追い求めることは、既成の価値観を疑う事なく無意識に肯定する事になりかねないから、心の底から湧き上がる本当の自分の気持ちを優先して欲しい 」 というメッセージが含まれています。

I WISH YOU WEREN'T HERE:
Led Zeppelinの楽曲名が由来です。直訳は 「 ここにあなたが居なければいいのに 」 ですが、実は 「 ここにあなたに留まっていて欲しくない 」 という隠されたメッセージが込められています。ここにというのは場所だけを指すのではなく自身の周りの環境やその人の考え方・価値観まで含んだ範囲を意味します。さらに派生させると 「 イデオロギーに縛られず、自由であれ 」 という想いも込めています。

∞/∞:
( 悪い意味で ) 同じ事が無限に繰り返されている。時が進んでいても、何も変わっていない事に皆に気付いて欲しいというメッセージです。

TOO MUCH COMMUNICATION:
過度なコミュニケーション、情報社会の脆さを指摘しています。

TOO MUCH CIVILIZATION:
過度に発達 ( ここで言う発達はグローバリズムを指す ) した文明社会。それは本当に人間にとって正しい発達なのか、を問うメッセージです。

NOTHING LEFT TO SAY:
( ここまで言って変わらないのであれば) もう言うことは何も無いという悲観的意味合いと、言う事が何もなくなる程の良い状態を望むという希望的意味合いです。

MAY YOU FIND YOUR WAR:
直訳は 「 戦うべき相手を見つけられますように 」 ですが、ここに込めたメッセージは 「 あなたが戦うべき相手はもう解っていますよね 」 という意味です。

ABOUT TIGRAN AVETISYAN・・・
アンチ精神をベースに、時代が変わっても不変のメッセージをウエアを通して伝えるロシアンブランド。

TIGRAN AVETISYANはモスクワ出身で、ロンドンのセントラル・セント・マーチンスを2012年に卒業。同校内では数人しか披露する事が許されない卒業コレクションでLVMH のスポンサー賞を獲得致しました。あるシーズンにおいて、何かに対するアンチや皮肉の比喩などを盛り込みコレクションテーマとしました、という事ではなく彼は常に軸にアンチが存在しウエアを通してメッセージを発信し続けています。その姿はまるで活動家のようです。

試行錯誤しながらファッションを通じ、自身の考えを発信しメッセージを伝えたいと戦い続けている姿は非常に美しくそしてリアルです。故にTIGRAN AVETISYANの作るウエアは信じられるのです。

現状を単に批判したり嘆いたりする事は簡単です。TIGRANはそこで終わらせず、危険な状態である事に気付いて欲しい、そして明るい未来となれるように皆で意識を変化させていきましょう、という前向きなメッセージを込めています。新しい事を創り出すには、既成のものをポジティブな意味で再考・破壊しなければ新たな価値観は生まれないという、まさにVANDALISM的発想を持ったデザイナーと言えるのではないでしょうか。コントロールされ意図して作られた現在のファッション界のメインストリームに対抗する旗手の一人として注目すべき存在です。

STATEMENT OF TIGRAN AVETISYAN
これは革命でも進化でもありません。 私たちがこれから語ることは、以前から私たちの目の前にありました。もちろん、これらの事柄に目新しいことは何もありません。
それでも現在皆がどのように見ているのか、どのように見られたいのかを問題としています。しかし、私たちは他の誰かになることを望んではいません。 私たちは純粋により良い人になりたいだけです。
誠実さとは私たちにとって悪魔払いのようなものです。 最初のステップとして私たちは誤解し、嘘をついていたことを認めましょう。
美しさ以外に真実はないという人がいます。しかし、敢えて私はあなたに言います。美の考えは進化のみを歓迎し衰退することを非難します。そろそろファンタジーの世界への6ヶ月の旅行を終了する必要があります。年2回の気まぐれを創造的な意志に帰する余裕は私たちにはありません。
そして同時にデザイナーは、配置したすべてのディテールに根拠を与える必要があります。
ファッションが前進するためには、時間の並行性を受け入れる必要があります。 「今」よりも遠くを見る必要があります。
あまりにも長い間、私たちは無意味なシーズン毎の弁証法に多くの資源と労力を浪費してきました。全てはスタンダードモードなクリエーションの中で説明することが出来ます。
限られた人々へのリミテッドエディションというリリーススタイルを用いることで、私たちが取る方法論は包括的であり実験を恐れないものとします。
私たちはシーズン毎に新たなアイテムをリリースするのではなく、継続的な開発を目指しています。ストーリーの中では、矛盾、外的な要素による影響、そしてそれに伴う予期しない結果さえも歓迎します。
簡潔であることに理由はありません。しかし、様々な手段を最大限活用することでもたらす、最大の可能性を感じて頂くことを求めます。すべての事柄には言及する価値があります。最も美しいものから最も醜いものまで。
人生はこの世に存在する最大のクローゼットよりもはるかに大きいのです。
ほつれた縫い目と未完成の裾は、我々にとって日常にありえる事柄の範囲内です。
何でも自由に身につけられるということは知的自由を意味するものではありません。同時に服が簡単に商品化され、便利である必要はないと言っている訳でもありません。
私たちは人間とは深く、挑発的で、超越的である可能性を秘めていると言いたいのです。したがって、私たちは物質性に反対するのではなく、精神面での異議を唱えていきたいと思っています。
これらのアイディアが固まるのは、我々の皮膚感覚だけであると私たちは信じています。
最終的には、趣味、趣向の負担から外れたいと思います。私たちの目標は、完全な透明性をアーカイブして完全に消滅させることです。
私たちは自分自身を完全に表現するまでは止まりません。 私たちがすべてを言うまで、これ以上言うことが無くなるまで。

ボディー、仕様について
ボディーは、UMBROが1998年以降のイングランドナショナルチーム用に開発した人体力学に則ったパネル切替えが特徴のTRACKジャケットをベースにしながらも、全く別のアイテムへとアップデートしています。身巾、肩巾、袖巾、裾巾などオリジナルと比べリラックス感のあるシルエットに変更し、マテリアルもジャージーからナイロン素材へアップデート。シャワージャケットという全く別のアイテムに生まれ変わりました。さらに右胸部分のUMBROロゴはプリントではなく、リフレクターシートを型抜きし圧着した特別仕様です。また小文字ではなく大文字が特徴のUMBROの90’sロゴを用いている点もポイントです。

UMBROとコラボレーションする意味
英国の精神をコンセプトの一つとする私達は、ロンドンのクールなUKイメージ、東京のカッティングエッジなスタイリングアイディア、そしてマンチェスターの無骨で硬派な男らしさを融合させることで生まれるELIMINATORスタイルの確立を常に追求しています。

2000年のELIMINATOR発足当時、モッズ、スキンヘッズやパンクスなどから連想されるステレオタイプなUKイメージはない、新たなUKの形として 「 スポーツブランドをファッションとして成立させているUKストリートスタイル 」 を紹介する事を目的の一つとしていました。また、そのスポーツがUKの国技とも言えるフットボールが大きなキーになっている事実、その代名詞であるUMBROをチョイスする事はセレクトショップとしての発想の自由度を表明出来る大きなきっかけでもありポイントある、と考えています。

さらに、「 UMBROを生んだマンチェスターはフットボールのみならず、ミュージックシーンにおいても後世に残るカルチャーを生み出したロックの聖地でもあり、憧れの場所でもある。ブランドという単位ではなく、マンチェスターの精神性的なものを、ここ東京に持ってくる 」という考えでオープン当初から取り扱いをスタートし、その後、UMBRO ROCK TEEやMANCHESTER ROCK CITY JACKETなど、ミュージックカルチャーをフィーチャーした企画や、アーティストであるPETER DE POTTERを迎え「 ART + SPORT + MESSAGE 」 を体現したスペシャル企画等にて幾度となくコラボレーションしています。UMBROはフットボールブランドにも関わらず、過去にはKIM JONESやAITOR THROUPなどのデザイナーやPETER SAVILLEといったグラフィックデザイナーなど、感性の高いクリエーター達とのコラボレーションを発表しています。