LIBERTY TEE BLACK

久しぶりにTIGRAN AVETISYANの新作アイテムをご紹介させて頂きます。今回のテーマは1000年後の未来人から見た遺跡コレクションです。現代の私達が今残している足跡は未来人にとって、果たしてどう映るのでしょうか。デザイナーのTIGRANは1000年後に " 西洋文明の崩壊 " というタイトルの展覧会が開催されたと仮定した場合、どのような内容の展示物が見れるのか?を想像したようです。TIGRANはこう言葉を添えています。「未来の世代は、私達が何を作り、何を支持し、何を残してきたのかを研究することになるでしょう。今回の衣服のプリントデザインは、1000年後の未来の研究者たちが発見した過去 ( 現代 ) の遺産なのです」。デザインの根幹にあるコンセプトは " THE END OF THE END OF HISTORY "。以前にELIMINATORが20周年を迎えた際に製作頂いたコラボTeeでも取り上げたテーマですね。アメリカの政治経済学者であるFrancis Fukuyama氏によって出版された書籍、THE END OF HISTORYの哲学的概念から引用されており、TIGRANの考えでは社会の発展は本質的に平行したままで何も変わらない、THE END OF HISTORY ( Francis Fukuyama氏の提言 ) に終わりをもたらす事が本当の意味で平和の訪れに繋がると本人は信じています。本アイテムに描かれたモチーフは皆さんご存知の自由の女神像です。トーチ ( たいまつ ) を掲げ、誰しもが自由で平等な世界平和を願う象徴ですが、グラフィックの下に書かれたワードには " 解放された自由の女神像 " と記されています。さてこれは具体的には何を意味するのでしょうか、、、自由で平等な世界などは実際には存在せず、ヒエラルキー構造による格差が拡大する現代の社会において、自由の女神像の存在意義が問われるこの世の中を表しているのでしょうか。肩の荷を下ろすようにトーチの炎を床に置き涙を流しているのは、自由の女神にとって偽りの姿 ( 世界を牛耳る人々によって作られた嘘のイメージ ) を続けている自分に疲れ果てた様子のように僕は感じます。真実とは何か?現代社会 ( 政治システム ) へ向け、痛烈なメッセージを纏ったTIGRANらしいTシャツに仕上がっていると思います。

TIGRAN AVETISYAN公式通販 ティグラン アヴェティスヤン正規取扱店

マネキン着用サイズ : ONE SIZE

マネキンサイズ

身長182cm、バスト90cm、ウエスト76cm、ヒップ88cm、肩巾53cm、袖丈63cm、頭回り59cm

アンチ精神をベースに時代が変わっても不変のメッセージをウエアを通して伝えるロシアンブランドTIGRAN AVETISYAN ( ティグラン アヴェティスヤン ) の新作のご紹介です。

元々、本作はプーシキン美術館というロシアで最も大きな美術館からTIGRAN AVETISYANへ依頼した「エジプト文明の滅亡に関する展覧会」のグッズを制作して欲しい、というプロジェクトの為にクリエーションしたものです。残念ながら展覧会自体は中止になってしまいましたが、TIGRANの活動をご紹介できればと考えELIMINATORでアイテムを販売することにしました。

下記は本プロジェクトに関してTIGRAN AVETISYNAからのコメントです。

エジプトの遺物を直接プリントしたり、参照したりするのではなく、私たちの文明がどのようなものであるかを想像することにしました。1000年後にエジプト文明がどのように再発見されるかを想像し、そして1000年後に " 西洋文明の崩壊 " というタイトルの展覧会が開催されたとしたならばと仮定しました。未来の世代は、私たちが何を作り、何を支持し、何が残ったのかを研究することになるでしょう。衣服のプリントは、未来の研究者たちが発見した遺物なのです。

●本アイテムは100%コットンのハリ感のある生地を用い製作されています。

●前身頃のアートワークは次のように推測します。自由の女神の下にEmancipated ( 解放された ) とプリントされています。自由の女神目線で言えば、「自由と民主主義、希望の象徴」として長年役割を果たしてきたが、民主主義や自由などは言葉だけのもので嘘であった。嘘である事が明るみになった事で、これでやっと解放された、肩の荷が下りた、本当の意味で自由になれたという感情から、トーチ ( タイマツ ) を下に置き、嬉し泣きしているように見えます。もしくは、そもそも存在しない「自由」の象徴にされ、嘆き悲しんでいる姿です。後身頃の3022は今から1000年後の3022年を意味します。

●前身頃の裾には「NO」の織りネームが付いています。「NO」はTIGRAN AVETISYANがよく用いるワードです。これはイデオロギーやイメージに捕われ過ぎて何の疑問も持たず、日々の出来事や存在している事さえもただただ当たり前のように受け入れてしまう事に対する危険性を危惧し、警鐘を鳴らす想いでメッセージを可視化したものです。

TIGRAN AVETISYANとは

モスクワ出身で、ロンドンのセントラル・セント・マーチンスを2012年に卒業。同校内では数人しか開催する事が許されない卒業コレクションで、LVMHのスポンサー賞を獲得致しました。あるシーズンにおいて、何かに対するアンチや皮肉の比喩などを盛り込みコレクションテーマとしました、という事ではなく彼は常に軸にアンチが存在しウエアを通してメッセージを発信し続けています。その姿はまるで活動家のようです。試行錯誤しながらファッションを通じ自身の考えを発信しメッセージを伝えたいと戦い続けている姿は非常に美しく、そしてリアルです。故にTIGRAN AVETISYANの作るウエアは信じられるのです。

20221011